主に北海道の廃墟と歴史民俗事象を中心に探索撮影しています。(半ば自分用の備忘録も兼ねています) 
重要↓
当サイトでは主に廃墟と墓地を中心に扱っておりますが、どちらも郷土史研究、または美術性、雰囲気を楽しむものとしてまとめているもので、オカルトもしくは肝試しと言った目的意味合いを一切持っておりません。閲覧の際はご了承下さい。
また、文章や画像の無断転載はおやめください。


【2017年、最近のお知らせ】
・1/2 コミケ帰りにさっそく2017年廃初め。
・1/28 札幌方面廃墟プチ遠征
・2/18 道央方面廃墟遠征
・2/25 千葉廃墟遠征の旅。カステラの土産はもう要らない。
・3/18 東北方面廃墟探索・調査
・4/22 ここに並べていた「2016年の主な活動」をひとまとめにしました。
http://hanatare-ruins.doorblog.jp/archives/51937720.htmlからどうぞ。

11月13日(日) 北海道コミティア5参加&新刊のお知らせ

日本の同人グッズ頒布イベントとして一番有名なものといえばなんといってもコミックマーケットだが
もう一つ有名株としてコミティアというものも存在する。

何が違うの?と言われるとなかなか回答に困る。
前者は頒布物としていわゆる二次創作OK、後者は二次創作が原則禁止でオリジナルに限るといったルールがある。 また、コミティアは東京だけでなく、各地方都市でも開催されており、北海道では札幌で開催されている。 

コミケに何度か参加する中で、北海道コミティアにも出たい出たいと思ってはいたのだが、原稿に割ける時間や資金面での都合がつかず、見送って来た。
それが今回やっとこ目処がついたので、めでたく北海道コミティアに初出展することになったわけでした。 やったぜ。


…毎度のこと、前置きが長くなりました。
今回の頒布物は何になるかというと、普段の写真<文な廃墟研究・史料写真集ではなく
純粋なる「北海道の廃墟写真集」になります。
実は、完全に「写真集」といえるような同人誌を出すのは初めてだったりします。

タイトルは『開拓者の骸』
こつこつ撮りためた北海道の廃墟、それも産業・学校・歴史系のものにしぼって集めた本です。
表紙a

今回のタイトル『開拓者の骸』は、以前から北海道の産業廃墟系の作品で使いたいと暖め続けていた私自身のお気に入りタイトルです。
北に入植・誕生し、日本の近代化と復興を支えながら、社会の変動によって潰えていった数多の廃墟たち。
「開拓者の骸」とは、北海道の廃墟そのものです。
その横たわる姿を、重くて厚く表現できる白黒版で詰め込みました。

大きさはいつものごとくA5版ですが
右綴じではなく、天綴じ(方眼紙やカーボン紙のようなめくり方をする本)になってます。
普段は小さい写真になっているものも今回は1Pにまるごと1枚使っています。作ってる側としては「ああなんて贅沢なの…」なんて思ってます。

名称未設定-2

28P、価格は1部¥800です。
カラーもいいですが、やはり廃墟は白黒も似合います。

また、当日は夏コミにて頒布した函館の廃墟・近代建築本『廃録 Vol.4』のほか、
昨年の冬コミで頒布した、道北は羽幌炭砿とその旧炭鉱街の廃墟をまとめた『廃録 Vol.3』も持って行きます。
興味のある方がおられましたら、なにとぞよろしくお願いいたします。 
4表紙aさんぷる

さんぷる13

というわけで、また販促更新となりましたが、11月13日(日)
ホテルさっぽろ芸文館(旧北海道厚生年金会館)3Fロイヤルホール スペース番号I-14へお越しくださいな。
開場、午前11時です。

北海道コミティア5については、次のリンクをご参照ください。
http://elysian.dojin.com/h-comitia/

寒い中ですが、是非是非。
ではまた。 

廃旅館:当別館 -一つの原点-

昨今、新幹線開業に湧く道南地方。JR江差線もこれに伴い、第3セクター「道南いさりび鉄道」としてリスタートした。その釜谷駅から上磯駅間では、海岸段丘沿いに津軽海峡と鄙びた漁村の風景を眺めることができる。

そんな磯の香りが漂う漁村の一画に、古い旅館の廃墟が残っている。
名を「当別館」。地名そのものを冠した、つげ義春のかほりが漂ういかにもな旅館跡だ。 
20150329-IMGP5193
函館近辺で生まれ育った私にとって、ここは子供の頃から前を通りかかる度に目を付けていた物件の一つだ。
だが、内部を探索するのはこれ(平成27年3月だが)が初めてだったりする。

場所は津軽海峡に面した国道228号線の、少し奥まった沢の入り口。手前を道南いさりび鉄道の架道橋が通っている。
非常にこじんまりとしており、最初は本当に旅館だったのかも怪しく思っていた。周囲には看板一つもなければ、客商売の物件らしい駐車場もない。民宿とも言い難い雰囲気…。
玄関先に「当別館」という表札さえなければ、完全に民家そのものだ。
しかし、後で調べてみると、昭和9(1934)年に創業したそこそこ由緒のある旅館で、鉱泉までついていたことがわかった。
昭和20年代に村役場で発行した史料に、当別館の広告や写真が載っていた。
※転載避け、または個人情報のため一部修正。ご容赦あれ。
img157s


温泉旅館当別館s
当時から鉄路との位置取りも、建物の間取りも大して変わっていないようだ。
昭和初期の漁村でこの規模はむしろ立派な部類にあたる。


さて、本題に戻ろう。
玄関部分は園芸用品や工具などといったものが雑多に積まれ、前に進むのも苦労する状態になっている。
しかし、屋根と床はしっかりしており、奥で窓や壁が崩れているおかげか、そこまでかび臭いというわけでもなかった。
まずは経営者の居住域へと足を伸ばす。
厨房。 …一般家庭?
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厨房というよりは完全に台所だ。
シンクにはカップラーメンを食い散らかした痕跡や煙草の吸殻が散乱しており、このような田舎にも浮浪者という存在がいるんだなと妙な感心を抱く。

サンマ焼くやつ(名称不明。網?)
20150329-IMGP5201

窓辺付近はかなり傾いてきている。崩壊する日も近いか。
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西陽に照らされる戸棚。カビの侵食が目立つ。
天井の壁紙もだらりと垂れ下がっている。
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ストックの食器の量さえなければ、本当にただの一般家庭に見える。
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ここから一歩戻ると、経営者家族の居間である。
こちらはかなり綺麗な状態のまま。
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本棚には、学生向けの試験問題集や大学受験用の赤本が並んでいた。70年代のものと90年代のものが一緒くたにされている。何浪してるんだ…(順当に考えて、親子二世代か兄弟の物だと思うよ)

居間から玄関方面を見る。
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この雰囲気…。やっぱり一般家庭じゃないか。

調べるにこの旅館、平成に入ってからも営業していたようだ。しかし、経営者の老夫婦が死亡するとともに廃業。次代の方は転出していたので、「倉庫代わり」にするというお決まりの廃墟コースで今に至る。
居間から廊下を挟んだ鉱泉跡の風呂小屋は一応倒壊を免れ、今でも汲みだせそうでこそあるが、滾々と湧く…という状態ではなく、虫が浮かんで怪しい色を湛えていた。私は遠慮する。
ちなみに鉱泉と温泉の違いは、大雑把に言えば冷たいか温かいか。
道南一帯は火山活動が盛んな場所であるが、北斗(上磯)から木古内付近には鉱泉が多く、他にも数軒このような廃旅館が存在、または倒壊消滅を辿っている。おいおい紹介したい。(いつになるやら…)

こちらは仏間。
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上磯町当別地区にもきちんとお寺があるのだが、どうやら隣町のお寺の檀家だったようだ。
仏壇や位牌はすっかり片づけられていたので、もうここへ人が戻ってくることはないだろう…。

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ここから廊下にでて風呂小屋と反対方向へ進むと、客室棟となる。
20150329-IMGP5230
…のだが、痛みが非常に激しい。

旅館らしい残存アイテム
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ちょうどこの撮影位置の左が客室棟の階段なのだが、雨漏りと湿気による劣化によって大きく穴が開いており、他の廊下もブヨブヨに腐って、いつ踏み抜くかわからない状態になっていた。
勘と、経験則、興味とリスクの天秤に照らし合わせ、ここから先は行かない方が吉という結論を下して戻ることにした。だって、たいがいの廃旅館ってどの客室も似たようなものだし、ここは改装もされてるしでそんなに見所があるようには思えなうわなにをす

風呂小屋に行く廊下も似たようなことになっていたので、外からアプローチしてみることにした。
こちらはさきほどの客室棟廊下の写真で見えていた場所の外側である。
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最初の白黒写真で言う、最も右側のあたりだ。変わってないね。 
撮影中も、JR江差線(当時)の鈍行列車が駆けて行った。
 
裏手に回る。
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廃業しておよそ20年ほど。徐々にではあるが、確実に倒壊が進んでいる。

敷地内を流れる小川に掛けられた危なっかしい橋(という名のただの丸太)を渡って近づいてみる。
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雪解けシーズンから幾ばくも経っていないというのに蔦が絡んでいる。
ここ最近の倒壊ではないことがわかる。

驚いたことに、近所の方は今でもここへ鉱泉を汲みに来ることがあるという。
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建物の裏手は、猫の額ほどの平地になっている。
春の野草が、寒々しい風に花を咲かせていた。
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国道から鉄道橋の先に見える、漁村の一角にぽっかりと空いた懐かしいようで妖しい空間、当別館。
前を通りかかるたび、幼い私はそんな世界に憧れていた。「現実」や「今」から取り残されてしまったそんな場所に入りこんでみたい。そこで何があったか、今何があるのか。調べてみたい。五感の全てで味わってみたい。 そう思い続けていたら、今ではこうして暇を見つけては廃墟や鄙びた街、山里ばかりに出歩く人間になっていた。
色々な意味で、日本には凄まじい廃墟がたくさんある。 この廃墟は規模も小さく、特筆すべきものもない。 しかし、私にとっては確かに思い出深い廃墟、いや原点の一つだ。
今ではあまりこちらへ来ることもなくなってしまった。気づいた時にはすでに完全倒壊ということもありうるかもしれない。 
感慨だとか、史料的だとか、そういったものとおおよそ別のベクトルの「惜しい」という感情が芽生える廃墟というのはむしろ少ない。
個人的なわがままでしかないが、どうか少しでも長く、その姿を保ってほしい。
誰だって、帰ることができる場所があってほしいものだから。


当別館 おわり。 

2016年、夏コミC90結果報告と新刊委託通販開始のお知らせ

お盆も過ぎ、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
北海道では既に夜が涼しくなり、カエルの代わりに虫が鳴き始めるようになりました。
さて、本題。ここらで8月14日、夏コミC90の結果報告をさせていただきます。
会場へお越しいただいた方、差し入れをいただいた方、情報を周知していただいた方、お隣やいつもお世話になっております他サークルさま、ありがとうございます。

当日の設営直後の当サークルの様子です。
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今回、設営・後片付けを売り子さんだけでなく、関東の知人にもお手伝いいただきました。
段どりが苦手な私には非常に頼もしいお力でした。本当に本当にありがとう…。

C90での頒布品は函館近代建築系廃墟特集の新刊『廃録 Vol.4』、既刊の羽幌炭砿特集『廃録 Vol.3』
そして、知人の炭鉱系調査員こと、くまさん氏から『炭坑技術 第0号』とはっしー氏から『NEW 炭鉱技術』の委託をいただきました。
また、会場限定100名様にはこんなクリアカードも同封しました。
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遠方の知人に来ていただき、同志と顔を合わせ、憧れの方々にご挨拶にいける…。そんな盛況のうちに終われたことはまことに幸福を限りです。
これだからコミケって何度でも参加したくなります。 


さて、当日の話はこれくらいにして、ここからは新刊の委託・通販のお知らせになります。 
以前より、今回は個人通販ではなく、委託販売による通販にシフトすると通知しておりましたが
8月15日より、COMIC ZINさんから委託をいただきました。
以下のURLより、個別ページへ飛べますので、興味のある方は是非ご利用ください。
http://shop.comiczin.jp/products/detail.php?product_id=29017
サンプルも重ねてここに貼っておきます。
4表紙aさんぷる

HairokuVOL4honbunさんぷる3かい

HairokuVOL4honbunさんぷる4

HairokuVOL4honbunさんぷるkai

また、委託販売でありますので、東京近郊の方はCOMIC ZINさんの店舗内で直接お求めいただくこともできます。


最後に、冬コミ参加のお知らせ…。
通るかどうかはやはり不明ですが、今回の冬コミも参戦予定です。
しかし、次の新刊は今までの廃録シリーズとはちょっと違った趣向を目指した本を考えています。
まあ、廃墟探索・調査という根っこの部分は全然変わらないんですが…。
↓サークルカットです。
B0400 (4)-復元a

楽しみにしていただける方がおられましたら幸いです。
今後とも、一体どの層向けなのかよくわからない廃墟調査本を書いて行きますが、変わらぬご愛顧をよろしくお願いいたします。 


2016年8月17日、夏コミ遠征より帰還、道民の人。
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