上国鉱山 中外鉱業営業所のことについ備忘録も兼ねておいておく。
現在の姿はこっちの記事でどうぞ
http://hanatare-ruins.doorblog.jp/archives/51717885.html
・概要
参考文献
松崎岩穂著 『上ノ国村史』 北海道檜山郡上ノ国村役場 1956
松崎岩穂著 『上ノ国村史 続』 北海道檜山郡上ノ国村役場 1962
地学団体研究会道南班/編 『道南の自然を歩く』 北海道大学図書刊行会 1989
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・概要
正式名称は中外鉱業上国鉱業所。石崎の沢一体に広がるマンガン鉱山のひとつであった。
その立地は石崎集落から石崎川沿いに約5キロ。
石英脈石から菱マンガン鉱を主として他に鉄、カルシウムなどの炭酸塩と鉛、亜鉛鉄の硫化物を伴う鉱石を産出する。 品位30~36%(よいほう?)
・創業の歴史
昭和14年7月 八田満次郎氏が創業
昭和18年8月 中外鉱業株式会社が買収して開発が急速に進む。
昭和20年 一時閉山
昭和22年1月 停止されていた事業を再開
昭和26年4月~27年7月 選鉱場と日影沢焙焼炉(四基)五玉村式架空索道などを建設
昭和32年 重液選鉱設備を整備、精鉱処理1万トンとなる
昭和34年10月 浮遊選鉱焼結炉(トンネルキルン、後述)を設置する
昭和61年 円高による採算割れの影響を受け閉山
・出鉱粗鉱量 31~35年度の五年間
31年度 85384t
32年度 104681t
33年度 108945t
34年度 113269t
35年度 118883t
・使役工数及び材料 31~33年度の三年間
粗鉱(t) 使役工数(工数) 爆薬(㎏) 抗木木材類(石) 使用電力(kwh)
31年度 85815 55277 50816 4958 631007
32年度 104551 73654 60764 6994 712392
33年度 108945 73323 56947 7712 744944
・例の焙焼炉の細目
全12基。赤レンガ内張り、鉄筋コンクリート外囲。内径2.3~2.5m。高さ13.8m。
一炉の装入鉱量約50t。一日13t~15tの焼鉱産出可。
前段階で採掘、手選と重選によった精鉱はここで薪を燃料として焙焼された。
・ライフライン、村の生活
電気は石崎変電所から3300Vで受電、契約電力は1000kwで月間使用量約350000kwh
鉄工、木工の工場もあり、旋盤3、ボール板1、セーパー1、グラインダー1、電気熔接機1、ガス溶接機1保有。
従業員数
役員 1
職員 53
鉱内夫 163
鉱外夫 男 124
女 63
組夫 約180
従業員と家族の為に施設住宅244戸、寮が3。
昭和32年に上ノ国会館が建てられ社内行事、映画、バレー、ダンスなどに利用。娯楽室は会合、娯楽研修に利用。
ほか診療所、浴場、理容所、配給所、簡易郵便局、村立若葉小中学校、村立若葉保育所、各種商店がある活気あふれる鉱山街であったのは今は昔…
参考文献
松崎岩穂著 『上ノ国村史』 北海道檜山郡上ノ国村役場 1956
松崎岩穂著 『上ノ国村史 続』 北海道檜山郡上ノ国村役場 1962
地学団体研究会道南班/編 『道南の自然を歩く』 北海道大学図書刊行会 1989