主に北海道の廃墟と歴史民俗事象を中心に探索撮影しています。(半ば自分用の備忘録も兼ねています) 
重要↓
当サイトでは主に廃墟と墓地を中心に扱っておりますが、どちらも郷土史研究、または美術性、雰囲気を楽しむものとしてまとめているもので、オカルトもしくは肝試しと言った目的意味合いを一切持っておりません。閲覧の際はご了承下さい。
また、文章や画像の無断転載はおやめください。


【2018年、最近のお知らせ】
・1/1 コミケ終わってたったの1日、というよか正月元日から2018年廃初め。ダメだこいつ早く何とかしないと…
・1/25 ここに書いてあった2017年の活動をまとめました。こちらからどうぞ。
http://hanatare-ruins.doorblog.jp/archives/51961456.html
・2/9 3連休が4連休になったので、西日本廃墟遠征。大戦果である。
・3/10 無理矢理休みをもぎ取り、東京大阪四国廃墟遠征。
・4/20 春の廃墟遠征 栃木静岡長野の旅。
・5/3 春の廃墟遠征その2 逆桜前線

盛衰の遺塔 上国鉱山にて

上ノ国町石崎地区まできたら、廃墟フリークとしてみておかねばならないものがある。
P1050625
かつて石崎の沢には「上国鉱山」が栄え、早川という街があった。
昭和11年にこの地でマンガン鉱床が発見され、14年から八田満次郎氏によるマンガン鉱山経営が始まった。
これを昭和18年に中外鉱業株式会社が買収して開発が急速に進んだ。名前を「中外鉱業上国鉱業所」、これがいわゆる「上国鉱山」であり、1975年までマンガン、後に銀や鉛を主とした採掘が行われた。
仕事がある場所には人が集まる。
早川集落には中外鉱山従業員とその家族の為に施設住宅が244戸、寮が3があり、昭和32年には上ノ国会館が建てられ社内行事、映画、バレー、ダンスなどに利用。娯楽室は会合、娯楽研修に利用された。
ほかにも診療所、浴場、理容所、配給所、簡易郵便局、村立若葉小中学校、村立若葉保育所、各種商店まであった。最盛期の早川は人口1500を超える一大集落であった。
しかし、この手の鉱山によくある終焉。円高による採算割れがもとになって昭和61年に閉山。人々は職を求めてチリヂリになっていき、小学校も翌年閉校。
そして今この地に残るのは、選鉱所と鉱石を燃やす焙焼炉、鉱業で栄えた村の骸のみである…

まるでロケットのような姿。 廃墟フリークなら一度は見ておきたい上国鉱山、ペンシル型焙焼炉。
北海道には数々の隆盛と衰退をたどった鉱山町の跡が残るが、ここはその南限でもある。
P1050626
山中に突如現れるその姿にしばし呆然とする。

ただ、この廃墟周辺には未だに採石場があり、他にも鉱毒水の攪拌池の点検に電気工事業者が出入りするので割合さびしくない。
P1050628
夏は木が生い茂って見えなくなるが、画像上部の林内にも建物跡のようなものが残っている
ワイヤーにつかまって砂山の途中まで登る猛者も。

ちなみにこの焙焼炉は全12基。赤レンガ内張りで鉄筋コンクリート外囲。内径2.3~2.5m。高さ13.8m
一つの装入鉱量約50t。一日13t~15tの焼鉱産出が可能であった。

当時の焙焼炉である
P1080351

上部にあった建物アップ
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木材もセルロースを失い完全に廃墟色。
野付崎の立ち枯れたトドマツ林のようでもある。

同じアングルばっかりだな・・・
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焙焼炉内部
隣りの焙焼炉も数年後には崩れてそうだ
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P1050635

上の写真によると、操業当時から木造施設の周りには大量の砂利がある。
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ただの砂利にしては黒いし、ズリだろう。
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けっこう足跡がついていた。

早川集落にはこのほかにも選鉱所のほか、公民館や商店などが廃村になって残っている。おしむらくは、ここに残っていた廃校若葉小中学校が平成21年に解体されたことである。現在は、学校跡地に記念碑が立っている。
車にたかるアブの数が半端でない。

P1050642
 
帰りの道中、古い橋脚のようなものを発見する。 見えにくいが写真中央部右。
旧道の橋ゲタか、それとも鉱石を運ぶトロッコやら鉄道でもあったのか…
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 聞くところによると、早川の上国鉱山よりもっと上の沢にも鉱山町があったらしいが、あまり質のいい鉱脈ではなかったらしく、大して人も住んでいなかった上に早期閉山されて早川地区に吸収されるかたちになったそうだ。
坑道入口と、攪拌池、電気設備がわずかに残っているだけと聞いた。

詳しい集落や工場のデータはこちらへ
http://hanatare-ruins.doorblog.jp/archives/51737558.html


おまけ
帰り道に江差を見る。 風車多すぎ。
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シェルターポート -石崎漁港トンネル-

上ノ国町石崎地区の漁港には、全国でも2、3ヶ所しか例がない「漁港トンネル」というものが存在する。
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離れた国道からでもぽっかり空いた口がよく見えるほど大きい。
岬の突端部にあるため一見旧道のトンネルに見えるが、これは車や人が通るためのトンネルではない。船が港に出入りするためのものなのだ 

このトンネルが建造されたのは昭和9年の事
日本海側に押し寄せていたニシンの群れが姿を消し始め、変わってイカ釣り漁が台頭した時代である。
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この漁で使われたのは小型から中型の川崎船であったため、荒天になると転覆の危険性が高かった。よって海難事故防止と沖合漁業の発展のため、石崎漁港を舟入澗とするべく昭和6年から北海道庁港湾課長、中村廉次氏のもと工事が始まる。

画像の通り、コンクリと石づくり 横幅は10mくらい。
大きい。
P1050621

港から外海へはこのトンネルを経由するしかなく、北の海特有のヤマセ風やシケも西から北にそびえる岬がほとんど防いでくれるので港内は常に凪のような状態であったという。

真中の入澗が石崎港である。地形を見ると安全地帯の程度がわかりやすい。
まさに船にとっては最強の砦。
無題

グーグル先生ありがとう。

そのかわり漂流物や砂も溜まりやすかったそうで、シケの後は砂で埋まったトンネルを村人総出で復旧にあたった。
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入口に碍子があった。 なかに電灯でも引き込んでたのだろうか

しかし、これも時代の流れか
漁船が大型になりこのトンネルを使う船も減少していた昭和56年、漁港の改修岸壁整備工事とともに港側入り口が揚場にされたことでその役目を終えることとなる。
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トンネル内の海水は濃密な磯臭さが漂う。水の循環がうまくいかないので色も深い碧色。
漁村生まれの自分にはこの臭いがどこか懐かしく感じた。

平成になってからは北海道指定有形文化財となる。
P1050620

港湾整備のため現在では通れなくなっている。残念。

家紋調査 木古内町札苅地区

木古内町札苅地区の墓地。
圧倒的に多いのはやはり『丸に木瓜』

P1050355
 
「木瓜」 レリーフになっている
 P1050353
素晴らしい技術。
鶴岡のように多数派家紋のほかはわりと分散、独立した種類の家紋になっているのもこの集落の特徴。

鷹の羽の派生型
「丸に並び鷹の羽」
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この集落では「西山」という姓が使用。
「西山」は札苅において非常に多い姓である。


これは同じってことでいいのだろうか・・・
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「丸に並び柏」
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「丸に並び矢」
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札苅集落の家紋は矢の派生形が目立った。

「丸に三階菱」
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 それなりの規模の墓地ならたいてい一軒はある家紋のうちの一つ

『丸に三盛三階菱』
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珍しい派生型。この墓地以外では見たことがない。

これが見たかった 鶴の家紋
「鳥居鶴の丸」という種類だそうな
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「丸に蔦」
桐に似ている
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「七宝に片喰」
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「三つ割桔梗」
P1050365

この集落では西根家のみが使用。

角文字家紋
「丸に平」
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もしかしたら「百」かもしれない 微妙に形が違うから
使用家は百瀬さん

「左二つ巴」
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「丸に三枚笹」
P1050370
 こういうシンプルなもののほうが意外と少なかったりする

藤の派生
「加藤藤」
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加藤嘉明を由来とする加藤姓の由緒ある家紋だそうな

「丸に源氏車」
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 鶴岡ではよく見かけたが、札苅では少数派。

「丸に蔓柏」
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使用家は山川さん。

「丸に一枚柏」
P1050390
 
さてこれがすごい
「屋島扇」
P1050372
しかも墓の名字は「那須家」
子孫なのか、それともあやかったのか・・・


最初見たときはなんの意匠なのかわからなかった。
「三つ反り日の丸扇」
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かっこいいなあ。こういう家紋は自慢できる。

「丸に五つ矢」
P1050387

武功にあやかった家紋か?



番外編 面白い屋号
たぶん「ホシヤマジュウ」
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屋号も彫ってある家も多いのだ 


これが以前出した「カネ」の発展型
「オオカネ」
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「オオカネニ」だと言いにくいので、訛って「オガネニ」と呼ばれる。






以下、詳細調査結果 

家単位で数えた墓石数:322。
そのうち

木瓜 2
丸に木瓜 100
庵木瓜 4
源氏車 3
丸に源氏車 2
五三桐 3
丸に五三桐 35
下り藤 5
丸に上り藤 2
丸に方喰 3
丸に桔梗 6
三つ割桔梗 2
丸に隅立四ツ目 9
丸に四ツ目菱 2
丸に抱き茗荷 5
丸に違い鷹の羽 10
丸に並び鷹の羽 13
丸に違い矢 4
丸に並び矢 3
丸に蔦 2
丸に剣方喰 3
丸に左三つ巴 2
丸に三つ葉柏 44
丸に三つ星に一の字 3
其の他、各1ずつ
不明 30

と圧倒的に木瓜が多く、次点に三つ葉柏、五三桐が続く。

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