-分校- と聞くとなんだか映画や小説の舞台というイメージがある。
その中では、たいてい活発で道を裸足で駆けるような小学生や、純朴で美しき青春をおくる中学生、長閑な山村に生きるおじいちゃんおばあちゃんの姿が肯定的に描かれているが現実ではなかなかそうもいかない。
過疎化の影響による学校の閉鎖、人口そのものが減り、集落自体が死にかけという事態がどこの田舎でもちらついている。今回訪れた廃墟も、そんな過疎化の煽りを受けた一集落の学び舎だ。

京都市でも北。特に周山などの山間地帯は古くから林業で栄えたため、ふつう人が定住できるとは思えない深い山にも集落が形成された。
百井集落もそんな林業を生業としていた人々が作った山村であり、神社の鳥居にもその面影が残る。
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鳥居が丸太んぼうそのまま。 素材の味をいかしてるってこういうこと・・・ではないはず。

しかし、今ではにぎわいもすっかり消え去り、谷間に集まった家々の主はじいちゃんばあちゃんばかり。
当然、子供がいなくなれば学校の役目は消えてしまう。 大原小学校百井分校も平成3年をもって休校(名目上は休校だが、子供を産むような若い家族すらいないためほとんど廃校同然)となってしまった。
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時計は止まったまま

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入口に転がっていた
蹴ってくれる子供たちはいない。学校にも、この村にも

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入口からすぐ右手は職員室
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備品がけっこう残っている。あくまで「休校」だから。 

ああ、これはいい
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夕暮れに、蛍光灯の光に群がり当たる羽虫の音。
戸締りを急ぐ先生の姿が目に浮かぶ。

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物はある。人がいないだけで

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ほこりまみれだが再生できるだろうか。

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カギがそのまま置かれている。大丈夫なのか…?
まあ鍵かけるような場所もないし、そもそもよからぬ輩もめったに来ないようだし。

最後の予定表がそのままのこっていた
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春期休業は20年間、いまだに続いている。

あったなあこういう鍵・・・
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小学生のころ、私もこんな鍵をキイキイ回して窓を開けていた。
ボロボロの、今にも落下しそうな二重窓の外は、神社からミンミンゼミの鳴き声が絶えず響いていた。

なんとなく惹かれるものがあった
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黒電話。恒例の「もしもし」をしてみるとなんとこれが通じてしまった!
名目上は休校だから、通じたままにしてあるのだろうか。それでもこれは実に珍しい。本当によく物が残ってる。
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まるで、まだ自分が死んでいないと言っているようだ。

左側に行くと体育館
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って
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なんじゃこりゃ
劇にでも使ったんだろうか。

スズメバチが一匹迷い込んでいて、おっかなびっくり状態で撮影を続ける
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おかげで微妙にぶれている

体育館でおなじみの照明
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たった一個で足りるほど、この体育館はちいさいのだ。
だったらなぜその小ささがわかるように撮らなかったんだ・・・ 夏にもう一回行こう。

入口とここで通気があるので、たまに涼しい風が吹き抜ける。
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風に舞う幕の姿が寂しい

扉の先は備品庫
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ふきっさらし同然だけど、それでよかったのだろうか

分校はあくまで分校なので、校歌すらない。
代わりにこんな歌があったようだ。
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「小さな谷間の 小さな学校」
か…

そうなんだよな。過疎化が進む集落で、一番元気な場所は学校なんだ。
学校がなくなると、地域のにぎわいがまるで何か潮時を迎えたようにあっという間に消えていく。
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学校は地域とともに歩むものだった。
地域が衰えれば学校が衰え、学校が死ねば…
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扉の向こうに、この集落の未来はあるだろうか
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チャイムがベルだった時代もあった
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ここは休校になるまでベルだったようで

教室は3つ
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石油ストーブ
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北国の教室ではストーブに近い席がうらやましがられてな。
教室まで雪を持ってきて、天板の上において「バターだバターだ」なんて遊んだものだ。

別の教室
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壁に大きい数の単位表が貼ってあった。
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小4の時覚えたっけ。億兆京垓…ってやつ。

先生の忘れもの
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先生は、本当に休校のつもりでいたのだろう。

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90年代テイストが光る。
この教室には詩や習字などの掲示物がたくさん貼られていた。

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最後の教室
落書きがひどい。

ブレーカーでさえこの趣き
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夏に泊まってみたい。
合宿か林間学校といった趣向で。

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コンデジで暗部補正かけるとノイズが目立つ。

これも構図が少々おかしい。
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やはりもう一度こよう。

さっきから井上が多いぞ。
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こんなとこにまでニコ厨が!
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普通
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ヤケ
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余談だが、廊下にいるときたまたまお昼の時報のサイレンが鳴った。一瞬、戦時中にタイムリープしたかもしれないと思わず外に退避してしまった。
…そしてなによりSIRENを思い出してしまった。そういえばあの校長がいそうだし。

奥はトイレと倉庫。倉庫は半分図書室のような感じだった。
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懐かしいトイレ
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昔の公衆便所は便器すらなかったのもあるからなあ

毎日必ずみるものだし、これは考えたものだ
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こっちはひどい替え歌だな。
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そして・・・個室
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学校の怪談三傑

あら開いちゃった
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もちろんボットンでした
それっぽいものはそれじゃないと確認しましたのでご安心を。
観た時点でアウト? 知らぬ


思うように撮れてなかったのはもちろん理由の一つだが、ここにはもう一回来たい。
写真とるためだけに廃墟フリークをやっているわけではない。
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今度はもう少し長く居たい。この雰囲気は実に良い。木と山の温かみと、内地特有の湿気が。

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