今回から、かねてから興味のあった「家紋」について、一つ一つ墓地をまわって調査していく。
更新はまわった順と町村区域ごとに順序だてることを原則とし、まずは道南の木古内町から。
(なんで函館市からじゃないんだって? カメラ持って最初に行った先だからさ…)

今回は木古内町鶴岡地区。
幕末~明治初期に庄内藩士たちが移植した土地なので、なかなか珍しい家紋がたくさんある。


まず多い家紋から

圧倒的に多いのは「丸に上がり藤」と「丸に下がり藤」
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ついで「丸に三つ葉柏」と「五三の桐」、「違い鷹の羽」
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「五三の桐」はどこにでもある普遍的な家紋の一つ。



ついで多い「庵木瓜」(いおりもっこう)
地域色の強い家紋である
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この家紋は圧倒的に「工藤」姓を名乗る家に多い。工藤姓は青森をはじめとした東北に広く分布する姓であるため、この家紋もその周辺に多く分布する。
大工職が生業であった工藤氏の由来を表したと考えられる。



同じくらいの割合で「花菱」と「剣方喰」、「源氏車」、「隅立四ツ目」がある
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剣片喰



ここから少数派に落ち着きはじめる
「丸に抱き茗荷」
5件ほど
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「丸に笹竜胆」
丸に笹竜胆



「丸に違い矢」
丸に違い矢

たびたび見かけるが、たいていは二三軒程度





この墓地で一軒、または親戚類しかない家紋

「佐竹扇」
見えにくいが、日の丸の扇である
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名字も「佐竹さん」だった。



「五徳柏」
変わり五徳柏

「五徳」は囲炉裏とかで鍋をのせるアレのこと
家紋辞典には、丸から柏の葉が飛び出している「変わり五徳柏」しか出ていないが、便宜的にこう呼ぶ。




「抱き変わり寄生(ほや)に向かい鳩」

抱き変わり寄生(ほや)に向かい鳩

寄生(ほや)とはヤドリギのこと。八幡神の使い鳥たる鳩と、冬でも青々と茂るヤドリギが組み合わさったなんともおめでたい紋。

と考察してみる。



「変わり稲の丸に雀」
変わり稲の丸に雀

農村らしい家紋。
日本の秋、豊穣の秋




「抱き茗荷に木瓜」
五瓜に抱き茗荷





「石持ち地抜き隅立角に桔梗」
隅立角に桔梗
 
これは家紋辞典に記載なし。
勝手に部品名を組み合わせてこう呼ぶ 申し訳ない



「鞠挟みに亀甲花角」
鞠挟みに亀甲四方花菱

記載なし
鞠挟みの使用は珍しい。




「丸に抱き角」
丸に抱き角


使用家は「角田さん」
苗字からおこした家紋であろうか。





「丸に抱き葉沢潟(おもだか)」
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田んぼのやっかいな雑草も、日本人はこうして愛する
道南の沢潟家紋を使用する家のなかで、「抱き沢潟」は少数派。




「丸に州浜」
丸に州浜
 
一瞬尻かと思った
入り江の形を図式化したものらしい 「原型州浜」という家紋をみると由来がわかる





「陰七宝に桔梗」
陰七宝に桔梗






これは珍しい
「糸輪に二階笠」
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最初見たときなにかわからなかった。
高橋という苗字に多いそうだ。




「右一つ巴」
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巴は「三つ巴」ばかり有名だがこうして単独で使用することもある。
まあ三つ巴は神紋だから…




「横組み合わせ井桁」

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「違い井桁」との区別は、井桁が正方形かひし形かによる。
使用家は井川さん。苗字からの連想か。


そして、問題の家紋が・・・。
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杯に見えるが正体不明。
図書館で血眼になって数冊の家紋辞典を読み漁ると、「丸に三つ切り竹」というのが最も近い意匠だった。しかしそれは上下とも大きさが一緒だったので「丸に変り三つ切り竹」が適当か。