最近家紋調査更新しかしていない気がします。
いや廃墟も調査もネタはあるんですよ? 暇がないだけで…

今回はスバルパークととある廃墟(未掲載 いつになるだろうねえ…)(2013/4/28 更新しました! →http://hanatare-ruins.doorblog.jp/archives/51821136.html)を探索する道すがら、鹿部町中央部の墓地家紋調査。
「東光寺」ってどこにでもある寺名なんだなー。

向い側が自然公園になっていたが、これでは夜になると一般人はあまり行きたがらないであろう。



『竜胆車』
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名の通り、笹竜胆を羽根車や矢車の意匠に当てはめた家紋
曹洞宗の寺紋らしい。

使用家は荒木さん


『葉付菊水』
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相変らず菊水は風流ですね。 
これは葉っぱのオプションつき。気分はハーブティか?

通常種の菊水は比較的よくみかけるがこちらは珍しい。

使用家は長幡さん


『丸に菱菊』
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基本的に菱菊には細輪がセット。 しかしこれは普通の○を用いている。
よく見ると、菱菊より大味な感じがするのでもしかすると厳密には別種なのかもしれないが、何とも言いがたい


『丸に縦並び矢』
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意匠自体は『丸に並び矢』と変わらないが、90°左に回転している。
たまにこのような上下が逆さになっていたり反転している家紋を見かけるが、分家した名残やなにかしらの曰くを残すための処置なのか、それともただ単に石材屋さんが間違ったのかははっきりしない。

使用家は山脇さん


『丸に西六条藤』
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六条藤との違いは、藤の花に白いヌケがあるかないか。
明治31年、九條籌子さまと本願寺の第22代宗主:大谷光瑞師が御結婚された際持参された家紋であり、『九條家下り藤』とも呼ばれる。

しかし、そちらの紋を見ると白いぬけがありこれなら『六条藤』と云うのではないのか?
話がよくみえない。

使用家は家保さん


『丸に三つ松』
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松皮の節くれだった感じをきっちり表現しているところがまたニクい

使用家は松浦さん
松や笹、竹、梅、桜など樹をモチーフにした家紋の使用家には、どうも名字から着想を得たらしき物が多い。
その源流は藤原氏や橘氏に見られる。


『一の字に木瓜』
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この墓地でも多い木瓜家紋。しかしこれは初めて見た。 屋号的な意匠である。

使用家なのだが… メモを取り忘れてしまった。
いくら徹夜明けでもこれはひどい失態。


『丸に?』
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家紋辞典未収録
龍剣に形状が似ているが、使用家の「植村」という苗字から「植村割り桔梗」を思わずにはいられない。 

↓こんなの。
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植村割り桔梗からさらに派生したものととるべきか。


『雪輪に八つ薺(なずな)』
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非常に珍しいモチーフの薺がここで登場。 「タンポポ」じゃないですよ、「ナズナ」ですよ。古語ですよ?

雪に薺とは実にもののあはれを考えた組み合わせだ。 …七種粥なんて行事は、いやしい田舎生まれの我が家には関係のない話ですが。
厚い雪の下から掘り出して食えとな? なんとやんごとなきお方は無理難題を言いなさる。
今はスーパーがセットで売ってるとかそんな問題じゃないぞなもし。

…とか云ってみたが、古い時代の七種粥は内容が違ったそうだし、元は民間信仰の習俗だったとも聞く。
我が家でやらないのは単に材料がないのと、地域に代わりになる正月料理や歳時儀式があるからだろう。


ちなみに狂言に用いられる装束は『雪薺』という紋があしらわれているものが多く、そちらは上のような葉のみの意匠ではなく雪輪に収まったまさしくタンポポそのもの。
一説には特定の家柄に配慮したためとか、雪の下にもたくましく生きるタンポポの生命力を、狂言が持つ人の滑稽さ、しぶとさの象徴として採用したとか云われる。

使用家は中根さん


『三つ割り桔梗』
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ずいぶん堅そうな桔梗である。折り紙細工のようだ
道南では桔梗の派生種を各所でよく見かける。

使用家は毛利さん


『軸付き下り藤』
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普通の『下り藤』と違うところは、花弁に隙間があり軸がハッキリしているところ。
「誤差の範囲」とか言うな!

使用家は佐藤さん。


『丸に蔓桔梗』
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時計草のようになりました。
毎回思うのだが、植物家紋に蔓を付け足した…というのはわかる。
しかしその蔓ってなんの蔓なんだ? 別の蔓植物に絡まれてる状況を図案化したのか、それとも御自らが生やしているのか。

使用家は松本さん


『竹輪笹に対い雀』
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かの伊達公の仙台笹まであと一歩。これはこれで随分珍しい。

そしてよく見ると下部の笹の葉が妙な方向に折られている。別種なのだろうか。
上記の菱菊と同じように、これだけでは判断しかねる。 微妙な違いやデティールを、時代による風化や各業者による腕の差が激しい墓石だけで区別するのは多少無理があるのだ。

使用家は立部さん



おまけ 珍屋号
『カネタマル』
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以前話した縁起のよい屋号。 「カネタマル(金貯まる)」の洒落である。
祝儀用のものだと思っていたが、個人で使ってもよかったみたいだ



最後に。
本当はこの廃墟群も探索する筈だったの…

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しかし植物と猛烈な眠気に阻まれた。
詳細記事は、どうか首を長くして待っててください。 すみません。

↓今回尋ねた墓地の位置です。

 
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