福島町千軒岳の登山ガイドをしておられる浅野氏が土地の人から聞いた話である。


北桧山町には「若松」という集落がある。山の中の、農業と畜産業が主体の小さな集落だ。
その歴史は明治29年、福島県会津若松より穴澤家ら開拓者たちが入植した頃まで遡る。

ここの旧小学校のあたりから二俣を越え、八雲へと延びる峠のことを土地の人は「提灯峠」と呼ぶそうである。

昔、ここに住む人が八雲へ買物や用事を足しに行く際は朝早くから家を発って山越えをし、夜までかかって帰ってきた。
当然暗い山道を歩くには明りが必要で、人々は提灯を下げながら峠を越え、そして暗くなった頃にまた提灯を灯して家路を急いだ。
つまり、「通る時には必ず提灯を灯して歩く峠」ということで「提灯峠」と名がついたのであった。



このように生活に密着した地名こそ、この世で最も素晴らしいものだと思うのだと、浅野氏は絶賛していた。
大いに共感するところである。


この地図の、おそらく道道42号線沿いの道と思われる。

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