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大沼第一発電所から折戸川沿いに下る事約10キロメートルほど。林道奥の広場にたたずむ煉瓦造りの建物が見えてくる。 大沼第二発電所である。
大沼第二発電所は第一発電所に続いて、明治42年(1909年)に竣工。
明治43年(1910年)から最大出力1000キロワットで送電を開始した。(『鹿部町史』では大正3年、『鹿部町史写真集』では明治43年)
これらの発電所は主に函館の電力供給を目的として居たが、大正8年から鹿部町にも送電供給が開始。おかげで鹿部町は道南の地方自治体の中でかなり早い段階から電気を使うことができたと云われている。

そんな大沼第二発電所も昭和40年の七飯発電所の完成をもって役目を終え、現在はとある水産会社作業場の倉庫として使われている。
周囲には山中に似つかわしくない魚臭さが漂っている。あまり気にはしないが、ヒグマが出て来ないか心配である。

下は現役当時の写真。
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第二発電所の堰
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建屋側面にアーチ状の構造がみえる。
水路と直結しているので排水口だろうか。面白い造りだ。

水圧管路跡は小川となっている。
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アーチがあった場所の現在。
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すっかり埋め立てられてしまった。

正面に戻る。シャレてるなあ。
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微妙に色が違う。
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では、いざ潜入。
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建物内部に遮るものがない分、第一より広く感じる。
というよりただ屋根が抜けているせいかも。

この広い空間全てがタービン室。
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別サイトの写真では屋根が健在だった。ここ数年の大雪でつぶれてしまったと思われる。
前側半分の屋根は残って居るが、埃の被った物品が散乱しており果して使っているのかわからない。

しかしでかい
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とにかくでかい。
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何かの建物と言うより、橋やトンネルに近い物を感じる。
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タマネギ的構造
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天井の隅がいい。
煉瓦と緑。
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! なんだあの小部屋は。
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早速入ってみる。
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「遮断器室」 らしい。
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…某静かな岡の裏世界を思い出す雰囲気
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この丸い穴はタービン室方向へ向っており、途中鉄板らしきもので閉め切られていた。
排水管だろうか。
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そしてこれが件の遮断器跡?
発電所の遮断器=ブレーカーというイメージになるが、どうもよくわからない。
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とりあえずトイレの跡ではないようだ。
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土で完全に埋められている。
先の排水管と施設の構造から、「遮断器」とは水流を堰き止めるものだったのではないだろうか。

位置的に写真のアーチはここにあったはずだが、やはり土で埋められていた。
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鉄筋…?
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ここだけでっぱりがあったので少し気になった。

使いこまれている。
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ちなみにこれは稼働当時のタービン室と遮断器室の写真
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…あれ? この部屋小さくないか?
視覚って不思議。

「運転中」
壁に貼り付けてしまっていいのだろうか。
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天井付近
モダン建築というより、もはや遺跡。
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遮断器室奥の窓からタービン室に入ると瓦礫の向こう側へ行ける。
階段を発見。
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瓦礫のおかげで登るのもなかなか至難の業だが。

潰れ落ちた柱を利用しよじ登る。釘、トゲ、発泡スチロール。不安定すぎる。
…結局10分もかかってしまった。
やはり広い。
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破壊された浦上天主堂のような佇まい。
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行ったことないけれど。

梁を鉄筋で吊っている。
こんなものが突然落ちてくると思うと末恐ろしい。
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考えない考えない。

橋ゲタにも見える。
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いくつか部屋がある。
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板張りか…
これは厳しい、かなり厳しい。 

なんて思ったら、板下にきちんとコンクリの土台があった。
というわけで構わず進む。
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窓際に回廊が走る。右にいくか、左に行くか。
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左に行く。

入口に続いていた。
出られないが。
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壁 その2
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壁その3
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戻る
…と梁にこんな落書きが。 
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そのまま直進する。
年代物の扉が残されていた。
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中はなにもない小部屋。
ただ天井だけかなり高い。
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床一面の苔絨毯
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こいつが吹き飛んだせい。
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鍵までかかる。
一体なんの部屋だったのだろう。
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床(天井)がコンクリートなのはおそらく湿気対策か。
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すべて取り外されている。
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人的被害がなくて本当によかった。

確かに綺麗だが、交換するときやたら面倒くさそうな形。丸窓。
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こんなに天井が高いと拭くのも一苦労だったろうに。

お空丸見え。
「屋根が吹き飛ぶ」というと、こち亀の派出所が思い出される。
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送電線の始まり?
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奥にも部屋があるが、瓦礫が邪魔で侵入不能
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それにしても巨大
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入れなかった部屋を外側から撮影
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次の駒ヶ岳大噴火にこの建物は耐えきれるだろうか。
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既に取り壊された長崎の刑務所を思い出す。
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おまけ
林道沿いにあった廃屋。

記録によると、第二発電所付近には職員用の社宅があったそうだ。その遺構かもしれない。
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基礎の跡。
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大沼発電所は次の第三発電所で最後になります。


今回の参考文献。
・函館水電/編 『函館水電株式会社写真集』 函館水電株式会社 1914
・函館水電/編 『函館水電株式会社創立二十周年記念帖』 函館水電株式会社 1926
・鹿部町史編集室/編 『鹿部町史』 鹿部町 1994
・鹿部町史編集室/編 『鹿部町史写真集』 鹿部町 1993