厚沢部町鶉地区は厚沢部川中流部に発達した盆地で、主に稲作畑作が盛んにおこなわれている。地勢的には厚沢部町本町と北斗市(現大野町)の中間部にあたり、安政5(1858)年に江差の豪商である鈴鹿甚右衛門が私財を投じて峠を開削した。
これによりそれまで松前半島を横断できる道は木古内―上ノ国間だけであったのが、函館から直接日本海側への輸送ができるようになったため、経済上非常に功があったという。現在この道は国道227号線になってる。
また、最近は地内に札幌酒精工業株式会社が焼酎工場を建設し、不可能と言われた道産焼酎の製造に成功。操業を続けている。

墓地はその工場の裏手に存在。
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・丸に三つ扇
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珍しい…と思っていたが、意外と存在する扇系家紋であることがわかってきた。
使用家は石村さん。

この墓地では他に違い鷹の羽など、よくみかけるものにとどまった。


国道227号線を大野方面へさらに進むと木間内(きまない)地区へ入る。この土地も鶉地区と同じく盆地と丘陵地に畑作が発達している。地名の由来はアイヌ語の「キマクナイ(村の奥にある川)」というが、文献の中には「キバナイ」 という発音も見られ、その真偽は不明。
明治元年から2年にかけては、この周辺で旧幕府軍残党と新政府方についた松前藩兵との大規模な戦闘がおこっている。
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墓地は集落中央部の丘に存在。畑に囲まれた長閑な場所だ

・丸に抱き沢潟
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沢潟紋としてはオーソドックスなもの
厚沢部町は他の市町村と比べて沢潟紋が多い気がする。 
使用家は久保さん。

・丸に庵木瓜
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積木のような部分が「庵」
工藤氏の代表的な家紋の一つだが、ここでの使用家は伊藤さんだった。

・五本骨扇
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全ての扇紋の基本形。
五本扇の他に七本扇があるそうだが、 長い事探していてもついぞ見たことがない。
使用家は佐藤さん。

・二つ巴に中陰武田菱
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珍しい寄木家紋。なかなかお洒落。
使用家は谷さん。

・丸に並び矢
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矢家紋では違い矢に並んで次に多い。
使用家は後藤さん。

・丸に亀甲に花菱
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使用家は八巻さん。

・仙台笹
P1160170 変わり仙台笹
あの伊達公の紋として有名。道南では意外と見られる。
使用家は杉目さん。 仙台藩領内に杉目村という地名があったはずだが、もしかして関係あったりする?

・溝口菱
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普通の松皮菱より一段多い。
溝口氏は加賀国や越後を拠点としていたそうで、そこから渡ってきた家かと推定。
使用家はもちろん溝口さん。 

・丸に十字
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使用家は見ての通り干山さん。
厚沢部町や江差町、乙部町などでは「干山」「干場」と言った苗字が多い。 

・丸に若根笹
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篠笹系家紋の一種。
簡単な見分け方は脚の部分が四本か、三本か。(三本のものが若根笹)
使用家は谷口さん。

・丸に三つ鱗
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家紋と言うより屋号として使われることも多い。
使用家は尾田さん。

・丸に細片喰
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片喰家紋の変種。
剣片喰以外の片喰家紋変種はけっこう珍しかったりする。実際初めて見た。
使用家は山岸さん。

・杏葉菊
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こちらも使用家は干山さん

・丸に茶の実
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使用家は進藤さん。

・丸に橘
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こちらも使用家は進藤さん。
茶の実を使う方の進藤さんのお墓に古いものがあったので、 おそらくこの橘を使う方は分家と思われる。

・丸に剣桜
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剣を伴う植物系家紋の派生種は多いが、桜は珍しい。
使用家は内田さん。


毎度おなじみ最後のおまけ
珍しい苗字篇
・弘平谷(コウヘイヤ)
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厚沢部町の他、乙部町、北桧山町などで見かけた。
全国で8軒のみという調査結果が…

・表神明(オモテシンメイ)P1160197あ
「明神表」ではない。(戦前に作られたお墓のため、右から左に書かれている)
非常な由緒を感じさせる名字だが、その詳細は不明。全国で7軒しかないという…


それでは今回紹介した墓地の位置情報をおいて終わりになります。


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